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‡真昼の月‡(以下真昼)の管理人、水無月とのコラボレーション企画。

『長編キャラサイト訪問』を実行致しました。

企画内容ですが、真昼の拓海君がうちのサイトへ遊びに来る!といった内容になっております。

拓海君のセリフや行動は水無月監修の元書いてはいますが、完全に公式のお遊び二次創作なので閲覧するにあたり、キャラ崩壊やメタ発言にご注意下さい。三月も普通にフレンドリーです。ほぼほぼ会話形式ですので読みづらくて申し訳ないです。

ちなみに真昼には陵介が行っているので見たい方は『Link』から‡真昼の月‡の番外編置き場へどうぞ。

ではでは、短いですが三月と拓海の対談をお楽しみ下さい(´∀`*)

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「…遅い」


約束の時間からとうに三十分は経過していた。

管理人の奴…「今日は『真昼の月』ってところからお客さんが来るから仲良くしてあげてね~」


とか吐かしやがったクセに、肝心の人物が一向に姿を見せねぇんだけど。

確かこっちまでは電車で来るとか言ってたから駅方面でも行ってみるか。


…あ?」


駅に向かって大通りをしばらく歩いていると、明らかに周りと雰囲気が違う人物がキョロキョロと忙しなく周りを見渡しては小首を傾げていた。


どうしよう…。約束の時間すぎちゃってる…」


そいつは頼りなさげに俯いて、今にも泣き出してしまいそうな顔をしている。


うん、絶対にコイツだ。


あの…、もしかして『真昼』から来た人ですか?」


俺がそっと声をかけると、そいつが顔をパッと上げる。


は…はいっ、えっと、『少年アリス製作所』の方ですか?」

 

「ああ、良かった。そうですよ。『少年アリス製作所』へようこそ」


にっこり笑ってそう言うと『真昼』の奴はすっかり安心した顔付きになった。


うっ…、可愛い。本当に男なのか?女の子じゃないの?


ゴメンなさい…、遅れてしまって。…ボク、すごく方向音痴で…」

あ、気にしないで下さい。僕も人のこと言えない位の方向音痴なんで。ここら辺は慣れたから大丈夫なんだけど、多分僕がそちらにお邪魔することになってたら同じだったと思います」

 

そ…そうなんですか。よかった~」

こんな所じゃなんですし…。とりあえず今日は喫茶店でお話でもしませんか?」

 

はいっ、是非っ!」


ニコッと笑った『真昼』の奴はどうみても大人しい人見知りタイプだ。う~ん…、俺の周りって自己主張強い奴ばっかだからどう扱ったら良いものか。俺がリードしないと会話にならないかもな。

なんて事を考えつつ、俺達は喫茶店へ向かう事にした。

 

 


ーーーーーーー喫茶店内

 

 


そうだ、今日は管理人から小遣貰ったんで好きな物を好きなだけ注文して下さいね」

 

え…、いいんですか?本当に?」

はい、「気にせず使え」って言ってましたから。寧ろガンガン使い込んでやりましょう」

 

……それじゃあ、お言葉に甘えて…。ケーキセットお願いします」


お、見た目を通りの可愛いチョイス。こういう奴を可愛いって言うんだよ。

うちの学園の奴らは大半目が腐ってるに違いない。ミーハーと変人揃いのうちなんかに来たら転入初日で即座に注目の的だろうな。

とかなんとか考えていたら、注文も済んでいるのにまだお互い自己紹介すらしていない事に気がついた。


そういえば、自己紹介がまだでしたね。僕は星彩学園高等部一年の笹本三月っていいます。三月って呼んで下さい」

 

え、同級生なんですね!ボクは若葉台学園一年の桜井拓海です。ボクのコトも拓海でいいです」


あ、やっぱりタメ。年上にはどーやったって見えねぇもん。


うーん、折角同い年なんだし、敬語は無しにしよっか?」

 

はいっ!…あっ」

…ぷっ。拓海って可愛いよなぁ」

か…可愛いって言うなよ!オレ男なんだから…」

気を悪くさせたならゴメン。俺も可愛いとか言われんの嫌いだから気持ち、よく分かるのにな。つい」

あ…、でもミツキになら言われてもそんなにヤじゃないよ」

そっか。なら良かった」


俺が少し笑うと拓海も笑う。

どうやら俺達、少しは仲良くなれたみたいだぞ管理人。

考えてみたら俺、他校のヤツと仲良くなるのなんて初めてだ。
今まではケンカしかしたことないんじゃないか?


そんな簡単な自己紹介が終わってから数分すると、テーブルの上には彼が頼んだショートケーキとアイスティー、俺が頼んだアイスレモンティーが並んだ。


わぁ、おいしそ~」


ケーキを前に、そのぱっちりした目をキラキラと輝かせる拓海である。

いただきま~す!」

 

どーぞ」


パクリ、と幸せそうな顔しながらケーキを食べる拓海を見つつ、俺はまったりと紅茶を飲む。

しかし、よく甘いの食えるな。

俺はなぜか昔から砂糖菓子ってのはダメなんだよね。

 

 

…ねぇ、ミツキ」

ん?なんだ?」


ここにきて、拓海から初めて積極的に話し掛けてきた。


…あ、あのさ~、その…、ミツキって…付き合ってる人とかいるの?」


?!?!


ゴホッ!ゴホッ!」

 

だ、大丈夫!?」

 

き…気管…入っ…ゴホッ…たっ」

イキナリそう来たか。まさか拓海の口から男女交際の話題が出るとは…

ぽやんとしてて天然っぽいから正直意外だった。


へぇ、拓海ってそうゆー話に興味あるんだ?」

 

え、そ…そういうワケじゃ…。ミツキ、可愛いからモテるんじゃないかな…って」

 

な、何言うんだよ!んなコトない全くない!学内男しかいないしっ!」


言えないっ!

まさかうっかり素顔晒して、そのせいで謎の美少年として学内で噂になっているだなんて…

バレたら末代までの恥だ。ここは俺から興味をそらさなくては。


「そ、そういう拓海はどうなんだ?」

 

え?」

 

拓海は付き合ってる奴いるのか?って言ったの」


拓海は顔を真っ赤にして、俺から視線を外し俯いて一言。


……い…るよ」

 

「マジか!どんなコ?可愛い系?美人系?」

 

え"っ!?」


はっきり言おう。

十五年の人生において恋愛沙汰とは無縁であった俺であるが、これは興味ある。
だって、この拓海の彼女だぞ!


だ…誰にも言わない?」

 

そりゃもちろん言わないよ」

 

…あ…、あのね。同じ学校の同級生…なんだ」

 

へぇ、やっぱ付き合うくらいお近づきになれるのは同じ学校だよな。同じ学校…。おな…じ…」


なんかおかしくないか?

若葉台って、確かうちと同じで全寮制の…

男子…校…


…って、ぇえっ!?」


俺は驚きのあまりに声が裏返ってしまった。

突然の大声に、店内にいた客の視線が一斉に俺達へと集まる。


ミツキ!しぃ~っ!!落ち着いてっ」

ご、ごめん!驚きのあまり取り乱した…」


俺は椅子から半分浮いてしまった腰をそろ~っと戻しながら謝った。


失礼、だよな。大きな声出して本当に悪い」

 

…やっぱり……変、なのかな?」


俺の反応に対した拓海は、目を臥せてとても悲しそうな顔をする。


あ、いや、別に変ってコトはない。好きになるのに男とか女とか関係無い、とは思うし。単純に驚いただけであって、嫌悪とかそういうのじゃねぇよ?」


うちの学校でもカップルよく見かけるし!有り、だよな!
今までは身近になかっただけで、世界は広いんだ!

うん。全然変なんてことはない。うん!


俺が自問自答で理解を深めている数秒の間、二人の空気を沈黙が支配する。


う…ミツキ~」


その声にはっと顔を上げると拓海の目からは大粒の涙が。


…えっ?ご、ごめん!俺、泣くほど嫌なこと言っちゃって」

ううんっ!その逆だよっ」


拓海は首を左右に一生懸命に振った。

へ…、逆?」


さっぱり意味がわからない。


だーかーら~、イヤじゃなくって嬉しかったの」

「?何が泣くほど嬉しいんだ?」


さすがに拓海も呆れ顔だ。


…ミツキ~、わかってよ~」

「?」


一向に話が見えていない俺の様子を見兼ねて拓海が話し始める。


オレ、いつも男同士ってコト気にしてて…。でもミツキはそんなコトないって言ってくれて……嬉しかったんだ!」


ギュッと手を握りしめながら必死に説明してくれて、俺はようやく彼が言いたいことを理解した。

瞬間、ボッという擬音の後、自分の顔の方に血液が昇っていくのを感じた。


い…いいい、いや。…そんなっ…えっ!泣くほど…えぇ!?」


俺の言葉で嬉し泣きしてもらえるほど人を喜ばすことなんて、今まであったであろうか。

ただただ拓海の純粋さと温かさに、取れるんじゃないかと思うくらい頭をブンブン振りながらひたすらドモってしまった。我ながら情けない……。

ひとしきり一人で馬鹿騒ぎしたあげく、ガクッと肩を落としうなだれながら自己嫌悪タイムである。


ミツキ、やっぱり可愛いよ」


そんな俺を見た拓海はすっかり涙を引っ込めて、満面の笑みを浮かべていた。


…絶対、拓海の方が可愛いだろ」


負けじと俺も言い返す。


「「……………」」

「「ぷ……、あははは!!」」


二人同時に吹き出した。


あはは、ミツキって楽しいね!オレ、ミツキと友達になりたいな」

 

「俺なんかで良かったら」

 

嬉しい!じゃあ次会う時には彼氏を紹介するね」


拓海は本当に嬉しそうにニコニコしている。

そして、そうか、彼氏なのか。


あぁ、楽しみにしてる」


俺は正直友達が多くないから、拓海と仲良くなれて良かったな。と思う。

管理人、ナイスな機会をありがとう。


さて…と、思ったより話し込んじゃったな。もうそろそろ帰るか?」

 

そうだね」


楽しい時間ってのは思いの他あっという間で、俺たちは会計を済ませて店を後にした。


駅まで送ってくよ」


まだ十八時とはいえ、一応ここは都会であって。

この土地に不慣れな拓海を一人で帰すワケにはいかないよな。


え?いいよー、もう暗いし…ミツキも早く帰らないと」

拓海はというと、お茶とケーキまでごちそうになってるし…、などと遠慮している。


そこへ…


「ねーねー君たち、めちゃくちゃ可愛いね~!俺らと一緒に遊ぼうよ」


やっぱり来た。なぜか高確率で出没しやがる害虫ども。

こういうのが湧く度湧く度に疑問なんだけど、なぜ男を女と勘違い出来るのか。

いや、拓海は間違えられても仕方ないか。

「えっと、もう帰る時間なので…」


拓海は突然現れた見知らぬ男達に、オロオロしながらもやんわりと断りをいれる。


「えー、まだ十八時じゃん!お子様じゃあるまいし、つれないコト言わないで遊ぼうぜ!」

 

や、やめて下さい!」


相手はしかし、そんなのもちろん聞く耳持たない部類の人種だ。

肩を掴まれた拓海は身を引こうとするが、力足らずに敵わない。


「おい、その手を離せよ」


拓海の肩を掴んでいる男の手を、俺がガッシリと掴む。


「お、積極的だね~彼女」


それを見ていたもう一人の男が楽しそうに横槍を入れる。


「彼女じゃねぇよ。目ん玉腐ってんのか」

ミ…ミツキ~」


拓海はあまりこういったトラブルに慣れていないようで、かなり混乱している様子だ。

俺の額に青筋が浮かんで、口元を固く結んだ次の瞬間…


ダァァァンッッ!!!


夕日も落ちた路地に騒音が響き渡る。


拓海の肩を掴む男の腕を外し、そのまま逆に捻って男の体をおもいきり地面に叩き落した。


「チビだと思って油断するからだバーカ。…拓海、行くぞ」


ぽかんとしたまま立ち尽くしているの拓海の手を引いて、さっさとその場を後にする。

暫くしてからようやく拓海が口を開いた。


「あ、ありがとうミツキ!オレとあんまり背も変わらないのに…強いんだね」

そう?強いっていうか護身術みたいなやつ。コツがあるんだよ。でも、これでわかっただろ?駅まで送るから」


俺が微笑むと


「うん、ありがと」


拓海も納得したようだ。


それからは順調に歩を進めて駅に着き、改札口。

拓海とお別れの挨拶をする。


「今日は色々話せて楽しかったよ、ありがとう」

 

こちらこそ。おいしいケーキもご馳走になって、ミツキと友達になれて…楽しい三時間だった」

 

「じゃあ、またな。今度はどこか遊びにでも行こう」

うん!それじゃあまた!」

 

 

 

こうしてサイトの壁を越えた、管理人達の思い付きの企画は幕を閉じたのだった。

 


そして

拓海を送った後、俺はそのまま駅で陵介を待っている。


「…まだかよ。おっせぇな」


拓海が帰ってから40分は経っているのだが…。一向に姿を見せない陵介にイライラが募っていく。

チラチラ見てくる男どもの視線も気に入らない。

一日に二回も絡まれてたまるか、ってんだ。

早く帰って来いっ、陵介!

 

何気なく足元に転がっていた小石をすこんと蹴ってると…

三月?なんでこんなトコにいるんだ?」

 

「おわっ!」


陵介に頭をボフッてやられた。


「驚かすなよな。とりあえずおかえり、陵介。拓海送りに来たついでにお前を待ってたんだよ」

 

そっか、サンキュー」


陵介はにっこり微笑む。


こうして二人は帰路に着いたのだが…


「あ、そうだ…三月、お前何かトラブルとか無かったか?」


陵介は何かを突然思い出したようで、いまいち具体性に欠けることを聞いてきた。


「ん?トラブル?…そういえば、二人組にちょいと絡まれたけど…なんで陵介が知ってんの?」


俺が不思議そうな顔をしているのと対照的に、陵介はなにやら至極感心した表情をしている。


「…冴木のヤツ、スゲェな」

 

「あ?なんて?」

 

「いやいや、こっちの話」

 

陵介は遼の『拓海レーダー』の精度の凄さを実感しつつ、三月と共に寮への道程を歩いて行くのだった。

 


   e n d

 

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だらだらと長くなりましたが企画終了です。如何でしたか?三月と拓海君は。

しかし拓海は三月と違って本当にかわゆいですねぇ。オトメン。
この対談で拓海君可愛らしさ三割増し、三月五月蝿さ三割増しでしたね( ˘ω˘ )

なお、今回のコラボ企画についての感想大歓迎です。

イメージが崩れる、とか…あまり否定的な感想がなかったら第二弾があるかもしれません。
拓海と遼が星彩学園寮に遊びに来るかも?その他キャラも対談に参加?

ちなみに書いてる方は凄く楽しかったです。

水無月、コラボありがとうでした!お疲れ様です!

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